副腎疾患|永島メディカルクリニック|さいたま市見沼区の内科、糖尿病・内分泌内科

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副腎疾患

副腎疾患|永島メディカルクリニック|さいたま市見沼区の内科、糖尿病・内分泌内科

副腎疾患について

副腎とは左右両方にある腎臓という臓器の上に位置する脂肪組織に包まれた小さな臓器です。副腎は、生命の維持に重要な様々なホルモンを出す臓器であり、主に下記のようなホルモンを分泌します。

副腎から分泌される代表的なホルモン

コルチゾール

ストレスに対する反応など非常に多彩な作用を持つホルモン

アルドステロン

血圧の調節などに関わるホルモン

副腎アンドロゲン

性に関与するホルモン

カテコールアミン

アドレナリンなどに代表されるホルモン

これらのホルモンに異常が起こると、いろいろな疾患を引き起こします。

副腎不全

副腎不全は、副腎皮質ホルモン、特にコルチゾールの不足によって引き起こされる疾患です。コルチゾールは、ストレス反応に対して中心的な役割を果たすホルモンであり、その不足は感染や外傷といったストレス状態に対する体の適応能力を低下させ、意識障害や命に関わるような健康問題を引き起こすことがあります。このコルチゾールは脳下垂体からのACTH (副腎皮質刺激ホルモン)によって制御されています。

副腎不全の症状

  • だるい、疲れやすい
  • 食欲不振、体重減少
  • 吐き気や嘔吐
  • 腹痛、便秘または下痢
  • 無気力、不安感、眠気
  • 低血圧
  • 微熱
  • 皮膚のシミが多くなる

これらの症状は一見すると何が原因かわからないようなものも多いです。まずは副腎不全の可能性を疑ってかかり、検査する事ではじめて診断を行います。

副腎不全の検査・診断

当院では、副腎不全の検査・診断は以下の流れで行います。

  1. まず採血で副腎から分泌されるコルチゾールと、それを制御している脳下垂体からのACTH (副腎皮質刺激ホルモン)の値を測定して、病気の原因が副腎そのものにあるのか、脳下垂体にあるのかを判別します。
  2. 腹部の超音波検査やCTで副腎に異常があるのか、あるいは頭部MRI検査にて脳下垂体に異常があるのかを検査します。詳しい採血検査や、CTやMRI検査など大がかりな検査は自治医科大学附属さいたま医療センターと協力しながら行います。

副腎不全の治療

コルチゾールの不足が引き起こす症状のため、コルチゾールの補充が治療になります。当院で採血検査をしながらコルチゾールの補充量を決めていきます。

クッシング症候群

クッシング症候群は、体内のコルチゾールの作用が過剰になることで起こります。コルチゾールはストレスホルモンとして知られており、その過剰な存在は身体に多数の変化を引き起こします、体重増加、顔が丸くなる、血糖値・血圧が高くなる、などの様々な症状があります。副腎腫瘍によってコルチゾール分泌が過剰になる場合、脳下垂体腫瘍からのACTH(副腎刺激ホルモン)分泌が過剰になりコルチゾールも過剰になる場合、脳下垂体以外からの腫瘍によってACTH分泌が過剰になってコルチゾールも過剰になる場合があります。

クッシング症候群が疑われる症状

クッシング症候群ではコルチゾールの作用が過剰になることで、以下のような特徴的な身体徴候や検査値の異常を引き起こします。

  • 体重増加・肥満
  • 顔が丸くなる(満月様顔貌)
  • 背中の上部に脂肪がつく
  • お腹に赤い線ができる
  • 血糖値や血圧、コレステロール値、中性脂肪(トリグリセリド値)が上昇する
  • 筋力の低下
  • 月経不順
  • 骨粗しょう症
  • うつ症状
  • 感染症にかかりやすくなる

クッシング症候群の検査・診断

当院では、クッシング症候群の検査・診断は以下の流れで行います。副腎不全と概ね同様の検査になります。

  1. まず採血で副腎から分泌されるコルチゾールと、それを制御している脳下垂体からのACTH (副腎皮質刺激ホルモン)の値を測定して、病気の原因が副腎そのものにあるのか、脳下垂体にあるのかを判別します。
  2. 腹部の超音波検査やCTで副腎に異常があるのか、あるいは頭部MRI検査にて脳下垂体に異常があるのかを検査します。さらに、腫瘍からACTH (副腎皮質刺激ホルモン)の分泌が過剰になっていることが疑われる場合はシンチグラフィーという画像検査が必要になります。詳しい採血検査や、CT、MRI、シンチグラフィー検査といった大がかりな検査は自治医科大学附属さいたま医療センターと協力しながら行います。

クッシング症候群の治療

クッシング症候群の治療は、原因によって異なります。
副腎、脳下垂体あるいは脳下垂体以外からの腫瘍が原因の場合、手術によって腫瘍を摘出することで根治が期待できます。副腎の腫瘍が原因の場合は、副腎は左右に一つずつあるため、腫瘍がある副腎を摘出します(もう片方の副腎によりホルモンの分泌は維持されます)。
手術が困難な場合や術後に状況が十分に改善しない場合、内科的治療として薬物療法を行います。

原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症は、副腎皮質の腫瘍や過形成という状態からアルドステロンという血圧の調整に関わるホルモンが過剰に分泌される病気です。アルドステロンはナトリウム(塩分)と水分を体内に保持し、代わりにカリウムを体外に排泄することで血圧を維持する働きがあります。しかし、アルドステロンが過剰に分泌されると体内の塩分と水分が増え、その結果血圧が必要以上に上昇し、結果として高血圧の状態に至ります。また、アルドステロンの過剰な分泌によりカリウムが必要以上に体外に排泄されて低カリウム血症という状態になることもあります。
なかなか血圧が下がらない場合など、一度疑って検査してみるべき疾患です。

原発性アルドステロン症の症状

  • 血圧の薬を服用してもなかなか血圧が下がらない
  • 多飲、多尿、夜間頻尿
  • 脱力・筋力の低下がでてきた
  • こむら返りがでてきた

原発性アルドステロン症の検査・診断

  1. まず採血で副腎から分泌されるアルドステロンと、それを制御している腎臓からのレニンというホルモンの値を測定して、本当にアルドステロンの過剰分泌があるのかを調べます。
  2. 診断の精度を上げるため、点滴をしながら薬剤を投与して、本当にアルドステロンの過剰分泌があるのかを調べる特殊な採血検査を行います。
  3. アルドステロンの過剰分泌が、副腎の腫瘍や過形成から起こっているのか、腹部のCT検査など大がかりな検査を自治医科大学附属さいたま医療センターと協力しながら行います。
  4. さらにその腫瘍や過形成から本当にアルドステロンが過剰に分泌されているのか、左右の副腎静脈にカテーテルを挿入して、そこから採血をすること(副腎静脈サンプリング検査)で調べます。これも大学病院などと協力して検査を行います。

原発性アルドステロン症の治療

原発性アルドステロン症の治療では、過剰に分泌されているアルドステロンを正常化させる、あるいはアルドステロンの働きを抑えることによって血圧や血清カリウム値の改善が期待できます。片方の副腎からの腫瘍からアルドステロンの過剰分泌が起こる場合は腫瘍を摘出する手術を行います。両側の副腎からアルドステロンが過剰に分泌されていることもあるので、その場合には手術適応にならず、内服薬による治療になります。ただし近年では両側の副腎からのアルドステロン分泌過剰でも特別な検査ができる施設においては手術が検討されるようになってきています。

手術による治療

2つある副腎のうちで片方の副腎腫瘍や過形成から過剰にアルドステロン分泌されている場合には、手術によりその副腎を摘除することにより完治が望めます。ただし、両方の副腎からアルドステロンが過剰に分泌されている場合では、副腎はアルドステロン以外のホルモンも作られており、それらはすべて生命の維持に不可欠なホルモンですので、両方の副腎を摘出することは、悪性腫瘍が疑われる場合などを除き、原則行いません。

内服薬による治療

以下に当てはまる方には、内服薬による治療を行います。

  • CT検査・MRI検査・副腎静脈サンプリング検査の結果、左右両側の副腎からのアルドステロン分泌が判明した方(前述のように特別な検査ができる施設においては両側でも手術が検討される可能性はあります)
  • 手術による治療を望まない方
  • 高齢者など、そもそも手術のリスクが高い方

アルドステロンの働きを阻害する薬(アルドステロン拮抗薬)を用いて治療し、血圧の改善をはかります。アルドステロン拮抗薬だけでは血圧のコントロールが不十分な場合には、他の血圧降下薬も一緒に使用します。

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