糖尿病の原因・リスクと症状
糖尿病の原因・リスクと症状
糖尿病とは、血糖値が高い状態が続く病気です。
糖尿病には大きく4つの種類があり、それぞれ発症の原因が異なります。
このページでは、それぞれの原因と症状をご紹介します。
2型糖尿病は最も一般的な糖尿病で、日本ではほとんどの方がこのタイプに当てはまります。
2型糖尿病は以下に挙げたものが引き金となりインスリンの分泌が低下したり、インスリンがうまく働けなくなることが発症の原因となります。
2型糖尿病は、初期段階においては自覚症状が無いことが多く、「糖尿病合併症」が進行することにより、以下のような症状が少しずつあらわれます。
1型糖尿病は、自己免疫によっておこる病気で、膵臓のインスリンを出す細胞(β細胞)が壊されてしまう病気です。自己免疫がβ細胞を破壊するきっかけは現代においても、未だはっきり解明・特定されていません。
型糖尿病では、病気が進んでいくとβ細胞が破壊されてインスリンがほとんど作れない状態となり、生きるために注射でインスリンを補う治療が必須になります。
1型糖尿病はさらにこの状態になるまでのスピード(β細胞の破壊速度)によって、以下の3種類に分類されます。
発症してからわずか数日間でインスリンが作れなくなってしまい、3種類の中では一番劇的な速度で進行します。
すぐにインスリン療法を受ける必要があり、重症化する可能性が非常に高くなります。発覚した時点で血糖値はすでに非常に高いことがほとんどですが、発症が急激なので、1~2か月の血糖値の平均をみる指標であるHbA1cはさほど高くないことも特徴です。
1型糖尿病で最も頻度の高い典型的なタイプで、糖尿病の症状が出はじめてから数か月でインスリンが作れなくなり、インスリン療法が欠かせなくなります。血液検査では、自己の細胞・組織に対してつくられた「自己抗体」が多くの場合確認されます。
年単位で徐々にインスリンの分泌量が低下していくタイプです。2型糖尿病と誤った診断を受けている場合が多く、血液検査で自己抗体を検査したところ陽性であり、実は緩徐進行1型糖尿病だった、というようなケースがしばしばあります。
妊娠中はホルモンバランスの変化によって、インスリンの作用が低下し、通常時に比べると血糖値が上がりやすくなります。さらに、胎盤からはインスリンを壊す働きを持つ酵素が分泌されます。この酵素が必要以上に発生し、インスリンがうまく機能しなくなることにより、妊娠糖尿病を発症します。妊娠糖尿病の場合、出産後に血糖値が正常化することがほとんどです。しかし、妊娠糖尿病を発症した方は、将来糖尿病を発症するリスクが高いと言われていますので、出産後は定期的に検査を受けるようにしましょう。
妊娠糖尿病は通常の糖尿病と同様に自覚症状がほとんどありません。しかし、自覚症状がなくとも妊婦や赤ちゃんにとって重篤な病気を誘発する可能性があります。
その他の糖尿病には以下の2種類の原因が考えられます。症状や治療内容は他の糖尿病のタイプと同じです。
遺伝子の異常はインスリンを作り出す過程や作用する過程に異常をきたすことがわかっています。
二次性糖尿病といい、何らかの病気や薬剤の投与が原因となって起こる糖尿病のことをいいます。二次性糖尿病は病気や薬剤投与によって、インスリンのバランスが崩れることで発症します。
二次性糖尿病の原因となる病気には以下のようなものがあります。
二次性糖尿病の原因となる薬剤には以下のようなものがあります。
これらのように、一言で糖尿病といっても原因は様々です。糖尿病というと不摂生な生活が引き起こす病気と思われがちですが、実際は遺伝や体質など、様々な要素が関連している病気です。しかし原因は何であれ、「血糖値が高い」という状態を放っておくと、命に関わる合併症を引き起こすリスクを孕んでいます。
網膜は、光を刺激として受け取り脳の視神経へ伝達する、カメラのフィルムのような働きをしている組織です。高血糖の状態が長く続くと網膜にある細い血管で動脈硬化が起こり、血管が詰まったり、詰まった血管を代償しようとして新しくできた脆い血管が破けて出血が起きたりします。
腎臓には毛細血管が集まっており、ここで血液がろ過されて老廃物を尿として体外へ排出し、体に必要な物はろ過せずに血液中にとどめます。糖尿病腎症は、長期間高血糖が続くことで腎臓の中の毛細血管に動脈硬化が起こり、もろくなって、老廃物のろ過がうまく出来なくなることで発症します。初期段階では体に必要な蛋白質が少量尿中に漏れ出てしまうこと(微量アルブミン尿の検出)が起こります。血糖コントロールが良くないと進行はさらに進み、尿中に漏れ出すタンパク質の量が増加します。最終的には老廃物を体外に排出できない腎不全へと進行し、人工透析の必要性に迫られることもあります。
糖尿病神経障害は、触った感触・痛み・温度を感じる感覚神経、手足を動かす運動神経、及び内臓の働きを自動調整する自律神経などの末梢神経に障害をきたす合併症です。
この障害は、手足のしびれや痛み、筋力の低下、下痢や便秘、たちくらみ、心拍数の異常(頻脈や徐脈)、瞳孔の異常、発汗異常、勃起不全など体の様々な部位に幅広い症状を引き起こします。稀に顔面の神経麻痺も起こります。
永島メディカルクリニックでは糖尿病専門医である院長が、特殊な糖尿病も含めさまざまな状態の糖尿病患者さんの診療を幅広く行っています。まずはぜひご気軽にご相談ください。